間仕切り壁

2018.06.24 Sunday

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    子供の成長や生活スタイルが変わることに合わせて間取りを変えられる様に、最初から(新築時から)細かく部屋を区切らず、あえてオープンな間取りにすることで“可変性”を持たせる家の造り方があります。

    今回はそんなお宅のリフォーム工事です。

     

    柱や梁といった構造材を現し、無垢のフローリング、ビニールクロスではない壁紙で構成された、いわゆる“自然素材”の家です。

    ワンフロアーがオープンな造りになっています。

    お客様の要望は明確でした。

     

    ・子供部屋を2部屋確保したい

    ・画像の梁の位置に間仕切り壁を造り、廊下と部屋に区切りたい

    ・間仕切り壁の両脇を2つの子供部屋のそれぞれの入口としたい

    ・入口の建具は他室のクローゼットの建具(引戸)を利用したい

    ・2つの子供部屋同士は手持ちの棚で区切る(今回のリフォーム工事では行わず、施主施工とする)

     

    要望と現地の採寸を踏まえて次の様な提案をしました。

     

    ・建具の高さが床〜梁までの高さより低い為、梁の側面に鴨居(建具を吊る部材)を設置する

    ・柱から外れた箇所に建具がくるので、両サイドには戸当り(戸を閉めた時に戸を止める部材)を設置する

    ・梁の下にパネル状の部材で間仕切り壁を設置する(クロス貼り等の仕上げが必要な壁ではなく、部材自体が仕上りとなる壁)

     

    ここでポイントは3つ

    “可変性”がある家ということは、将来、また間仕切り壁を撤去して元のオープンな状態に戻す可能性があることを想定した造りとする

    間仕切り壁や鴨居・戸当りなど、今回の工事で設置する部材は接着剤などは使用せず、ビス留めとしてビスを外せば簡単に撤去できる造りとしました。

    撤去した際に残ってしまう“ビスの穴”は“最小限のキズ”として残ることを説明し、お客様にご理解して戴きました。

    画像は間仕切り壁設置の為のガイドとなる部材を梁と床に設置した状態です。

    この部材に差し込める様に間仕切り壁パネルの上下に凹加工を施し、横から差し込む作戦です。

     

    間仕切り壁の部材は色々な選択肢があるが、せっかく“自然素材”の家なので、無垢に近い素材を選択する

    間仕切り壁の部材には“パインの積層集成材”をチョイスしました。

    積層集成材とは、細長い無垢の部材を接着剤で圧着し、パネル状にした材料です。

    完全な無垢ではありませんが、新建材に比べて“無垢に近い材料”として採用することが多いです。

    フローリングがパインだったので、馴染みが良いだろうとの考えもありました。

    画像は,離イドに間仕切り壁のパネルを設置している過程です。

    間仕切り壁は同じサイズのパネルを4枚並べる計画でしたが、パネルの縦の側面にも凹加工を施し、パネルとパネルの隙間を埋める部材を設置しています。

     

    E然、コストを考慮する

    積層集成材を選択した要因として、コストも大きな要因です。

    間仕切り壁を設置する床〜梁までの寸法が2,015mmに対して、積層集成材の規格の長さ寸法が4,200mmでした。

    つまり、半分に切って使えば1枚の材料から2枚の部材が取れるな、と。

    ちょっと寸足らずですが、床のガイド分浮かして設置して巾木(床と壁の取合い部分に設置する部材)を設置すれば隠せるとの算段で。

    新建材(例えば、シナのランバーコア)で計画するとなると、規格では3×8(サンパチ:3尺(910mm)×8尺(2,430mm))を切断して使用することになり、ゴミもでるし、小口(切断面)も処理しなければなりません。

    値段も積層集成材に比べて高価です。

     

    また、積層集成材の凹加工や鴨居、戸当りなどの部材は全て加工場で行い、現地では組立てるだけの状態にする様に“下ごしらえ”することでコスト減を図りました。

    そこで、今回、工事を依頼した職人は建具屋さんです。

    加工の為の機材が揃った工場があり、最終的には現場で建具の吊り込みや調整までするとなると、全て一人でやってもらえるのは建具屋さんだと考えました。

    当然、どの建具屋さんも依頼を受けてくれる(工場がある、技術的にできることも含めて)ワケではないと思うので、できる職人さんと繋がっていることで今回の計画が実行できたと思います。

    言わずもがな、現場作業の手元を僕が務めることでの減額も図っています。

     

    そんなこんなで、完成したのが次の画像です。

    “下ごしらえ”の甲斐あって、現場作業は半日で終えることができました。

     

    もう1点、減額の為に、塗装工事は施主施工とさせて戴きました。

    お客様ご自身が、フローリングのお手入れで塗装作業に慣れていること、塗料をストックされていることから、抵抗なく受け入れて戴きました。

     

    今回は、お客様の意向(建具の再利用、施主施工での棚での間仕切り等の考えが明確だった)と僕の作戦(職人さんと材料のチョイス)がうまく合致し、スムーズに工事を終えることができました!

     

    “可変性”のある家のケースの工事の例を書きましたが、固定した間仕切り壁を設置するケースも当然あります。

    ケースバイケースで色々な提案ができると思います!

     

    W杯、ドイツ起死回生のアディショナルタイムでの逆転ゴールを見届けながらのブログ更新でした^^

     


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